空へ。‐夢の先‐
紗姫「……………、」


────プルルル…


成二《…はい》

紗姫「成二?あたし前川だけど!」

成二《ああ、》

紗姫「今どこにいんの?」

成二《……北村んとこ、》

紗姫「え、あたしの学校ってこと?」

成二《おう、》

紗姫「何でそんなとこ行っちゃうかな(笑)

んじゃ、今からあたし行くから絶対そこ動かないでよ?」

成二《………悪ぃ、》

紗姫「はいはい、じゃあね!」



またまた遠くに行っちゃって。重度な方向音痴ですな、こりゃ。



そんなふうに思いながら、歩く方向を自分の学校へと変えた。





─────────…



紗姫「あ、せーじ!」

成二「お、」


校門の影にウ●コ座りしていた成二に声をかけて駆け寄る。

成二もあわてて立ち上がった。



成二「……悪ぃな、」

紗姫「いや、いいんだけど!
どこにお使い?」

成二「…【CITY TO】」

紗姫「…あーあー君ほんとよくやるわ。

よし、じゃ行こっか」


あたしは成二から買うもののメモを受け取り
歩きだすと

成二が不思議そうな顔をした。


成二「…キレねぇんだな。」


女はこういうことすぐキレるのに、と付け足して
あたしを見る成二。



紗姫「え、別にキレることじゃないと思うけどネ」

成二「……そうかよ」

紗姫「イエス。」



その会話が終われば

周りのことを話題にのほほんと会話をつなげていた。



無言になっても気まずくないし
どんな話も短いながらちゃんと返してくれるし


成二の雰囲気って不思議だな。


となりにいるだけで


ふわふわしたような安心感に包まれる。
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