空へ。‐夢の先‐
太一「だぁーいじょーぶだって!

俺を誰だと思ってんのよ?
あのジュリラープロ所属のアイドルグループ…"Zoom"の生野太一だぞ?

あんな俳優すぐに追い抜いて守ってやるって!
な?」


「…だよな!」

「頼むぞ太一!」


太一「任せとけって〜♪」



友人が前を向くのを確認すると、太一は再び遠くなった紗姫を振り返って呟いた。




太一「…すぐに奪っちゃうからね〜……♪」




「太一行くぞー!」


太一「……おう!」






***


帰り道、成二が急にぼやいた。


成二「つーかブスのくせに何絡まれてんだよ」


紗姫「はぁ!?うるっさい!」



事実を言うな!と付け加えて成二の背中にパンチを入れた。



成二「いって、」

紗姫「ねー番長!」

成二「誰が番長だよ」

紗姫「だってヘッドっつーより番長っぽいじゃん」

成二「うるせぇよ」

紗姫「番長彼女いんの?」

成二「…は?」

紗姫「だーかーら、番長彼女いんのって!」

成二「い、いねーよバカ!」

紗姫「照れんなって♪♪」

成二「照れてねーよ!

つかお前こそどうなんだよ!!」

紗姫「あたしは彼氏いたことな…「だっせ、」



紗姫「…腹立つ〜〜〜〜!!!!!

あ、そういえば聞きたかったんだけどぶっちゃけ美樹とはどうなの?」


そーだよ!可愛いし優しいし清楚だし
言うことなしの幼なじみじゃん!



成二「あ?あいつは蓮の女だろーがよ」

紗姫「………うそぉ!?」

成二「マジ」

紗姫「ちょちょ、何で蓮!?」


暇さえありゃ女ひっかけてるのに!ダメじゃんか!


成二「アイツの本命は菊田(美樹)だけだよ」

紗姫「えーでも…」

成二「…何があっても菊田だけは捨てねーよ」




そう言った成二の横顔は何故か自信に満ち溢れてて。

それ以上は何も聞かなかった。
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