空へ。‐夢の先‐
龍くんの役は、表は冷徹な人間だけど

それは危険な仕事をしている自分がもし死んだ時に誰も泣かせないようにと

1人を貫いて、嫌われるようなことばかり言っていた、本当は心優しくて何よりも人の命を大切にする役だった。



物語は、そのレスキュー隊員の進藤が
余命3ヶ月だと判断されるところから始まる。



そして、その時起こった大きなビルの爆発事故に余命3ヶ月の引退を勧められたレスキュー隊員が


人の命を救いに危険な事故現場に立つという物語だった。



見学会でも泣いたけど、余計に泣いた。



それと同時に、
自分の夢を再確認することができた。




賢人「やっぱ龍くんすげーな!」

紗姫「マジ泣かせてくる〜〜〜〜!!」

成二「……………」



映画のあとの談笑会がおわり、すっかり夜中になって自然と解散になった。





成二「おい!、」

紗姫「あり、どした?」


蓮や寛たちと帰ったはずの成二の声がして
歩いてた足を止めて振り返ると

少し息の荒くなった成二がいた。



成二「1人なら1人って何で言わねぇんだよ、」

紗姫「え、」

成二「行くぞ」


そう言って、前を歩く成二。

…送ってくれるってことでいいのかな。


小走りにその背中に追い付いた。



紗姫「…ありがと」

成二「おう」



心がざわついて、落ち着かなくなる。


何だろう、これ…。



その日は、前を歩くくせに道に迷いそうになるおもしろい成二と一緒にゆっくりと家まで帰った。


たまたま家に百合さんが来ていたから成二の帰り道の心配はなくなった(笑)。




ありがとう、とか

メールとか入れたほうがいいのかな。


何か気持ち悪いか…。


でも送ってもらっといて何もナシってのも…
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