空へ。‐夢の先‐
龍「えー、今日は仕事で来られなかったが

浩介の奥さんで女優の石川真帆さん、俳優の戸川太陽も来てくれる。


あとはアドバイスに有名な監督さんや
演出家の方も来てくださるみたいで、

みなさんお前らの夢の手助けをしてくださる方たちだ。


こんな良い環境で学べること、

たくさんの方から温かいご指導を受けられる幸せや、

傲慢にならない謙虚な心を感じてほしい。


だから稽古には誠意を持って取り組む、
指導者には敬意を持って接すること!


いいな?」



「「「はい!」」」




つかつかつか!

戸川太陽もくるんだ〜〜〜〜〜!!!


やっば、泣きそう。



バラエティにドラマに映画に大活躍な戸川太陽、あたしは大ファン。


とにかくポジティブで人間性が最高で


笑顔を見てると本当に元気になれるほんとに太陽みたいな人。



前の人たちもカッコよすぎるけど…


逢いたいよ〜〜〜!



本当に幸せなんだな、奇跡だったんだ

龍くんに声をかけてもらったこと。



オーディションを受けて、この場所にいたくて必死に必死に努力して

涙を流した人が何人もいる。



オーディションを受けずにここに来たあたし。


本当にいいのかな、と思ったけど


その人たちだってあたしなんかに同情されたくないだろう。



だからあたしは、そんな人たちに認めてもらえるような女優になるために頑張らなきゃだめなんだ。



みんなで楽しく喋っていると、龍くんの携帯が響いた。


龍「悪い、」


健二「ええでええで!♪なんかやる!?人生ゲームとか!」

浩介「遊ぶのかよ、(笑)」




紗姫「…………?」

龍「もしもし」




なぜか気になったあたしは、みんなから離れた龍くんをしばらく見つめてた。



龍「……!…何で番号知ってる…?」



最初は普通に出た龍くんの声色が変わった。

明らかに低くなる。



紗姫「……………、」



龍「……二度とかけてくるな」
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