空へ。‐夢の先‐

歩き出す

入寮から、1ヶ月がたった。




早起きして、学校に行く前に決まったコースを走って朝ご飯。

学校から帰れば体を動かして、少し基礎をしてから勉強の時間を取って夕飯。



そこから10時まで曜日別の稽古。


あたしは稽古が終わればすぐに寝るから、ぐっすり寝れて気持ちいい。


早起きだから遅刻グセもなくなったし。




最近のあたしは、満足感のある毎日を過ごしていた。



春花「紗姫最近元気だよね〜」

紗姫「そ?」

橋口「まあ雰囲気は相変わらず気だるいけどな!」

喜美「ほんと!」

紗姫「なんだよそれ(笑)」




このあたしでも、こんなことを言われるようになったりして。

始まって1ヶ月。



それなりに結構うまくやっていた。






─────その頃


建物の影。
対峙する2人の男女。




春樹「…どういうつもりだ」

「何が?」

春樹「知らばっくれんなよ。

…何で沢木に電話なんてしたんだ」

「はあ…、

龍が傷つくのがそんなに嫌?」

春樹「………………」

「もうあんな思いさせたくないって感じ?」



クスクスと笑って、タバコに火をつける女。



「…龍も春樹もあたしには勝てない」

春樹「……………」

「…ふふ、笑える」

春樹「…沢木には近づくな」





「いずれまた物にしてやるわ。

龍なんて小物。


あたしは麗崎マリアよ?」





春樹「分かんないのか?」

マリア「…………?」

春樹「…小物はお前だろ。」




マリアは勢いよく春樹を壁に押しつける。


マリア「相変わらず可愛いわね、春樹」

春樹「……………」

マリア「龍を守りたくて仕方ないのね…

無理はしないほうがいいわよ」



マリアは春樹をしばらく見つめたあと、タバコを捨て大通りに出た。
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