気になる背中
「澪ー?ぼーっとしてどうしたの?」
「あ、ごめんなさい。相沢さん……」
声を掛けられて慌てて顔を上げると、目の前には頬を膨らませた相沢さんの顔。
「もう!澪ってば、この前約束したじゃん!名前で呼ぶって!!」
「ご、ごめんなさい」
「敬語もなし!」
「う、うん。…ごめんね、奈々子ちゃん」
「いいよ。お昼食べに行こう!」
「うん」
……あの日以来、相沢さんとはすごく仲良しになった。
お互いに名前で呼び合うようになったし、毎日一緒にお昼ごはんを食べるようにもなっていた。
私は呼び捨てにする勇気はなくて、ちゃん付けになってしまうけど。それでも彼女は私の返事に満足したように笑ってくれた。