気になる背中
大塚君のその一言で、そのまま遊びに行く事になってしまった。
着いた先は、ゲームセンター。
私はこういう場所ってあまり来ないから、すごく新鮮。
見慣れないものがいっぱいでつい周りをきょろきょろしてしまう…。
すると、クレーンゲームの中に見慣れたキャラクターのぬいぐるみが目に入った。
今すごく人気のあるゆるキャラで、可愛いから私もいくつかこのキャラクターのグッズを持っている。
「欲しいの?」
じっと眺めていたせいか、大塚君がそう声を掛けた。
私は恥ずかしくなって慌てて首を横に振った。
だって、ぬいぐるみが欲しいなんて、子どもっぽいって呆れられるんじゃないかって思った。
…けど、そんな私の本音は見透すかされていたみたいで、大塚君はふわりと微笑んだ。
そして、機械に小銭を入れたかと思えば、
あっという間にぬいぐるみが出口まで運ばれてきた…。