気になる背中



私は大塚君の言葉に答えられないまま、彼と別れて自分の家に入った。


鍵は開いていて、どうやらお兄ちゃんはもう帰っているらしい。



玄関には、佑香さんのだと思うサンダル。

佑香さんが来ている時のいつもの癖で、

私は音を立てないように階段を上がって自分の部屋に入った。



部屋に入ってすぐに、ぼすんとベッドに倒れ込む。

彼に貰ったぬいぐるみは抱き締めたまま。





ほんの数時間前はあんなに楽しかったのに、どうして今はこんなに悲しいんだろう…。


そんなことを考えていたら、いつの間にか涙が溢れてきて止まらなくなった…。

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