気になる背中
答えられずにオロオロとしていると、佑香さんは少し寂しそうな顔で私を見た。
「…ごめん。迷惑だったよね」
と、寂しそうな表情のまま佑香さんはそうポツリと声を漏らした。
「い、いえ!そんなことないです!!」
私は咄嗟にそう答えていた。
「えっと、お兄ちゃんが行くなら、私も行きます!」
続けてそう答えると、佑香さんは嬉しそうに顔を上げた。
そして、お兄ちゃんに向かって抱きついた。
「神崎、良いよね?」
「…好きにしろ」
抱きつく佑香さんに、お兄ちゃんはそう返事をする。
するとそれに佑香さんはもっと嬉しそうに笑って、そのままお兄ちゃんの首に抱きついてぎゅーってした。