気になる背中



「大塚君、佑香さんが夕食作ってるよ?起きよう?」

「んー…」


呼び掛けるけど、大塚君の返事は相変わらず。


布団の上から体を揺すってみると、やっと大塚君はのそりと体を起こした。

その仕草がなんだか猫っぽくて可愛い…。



「…お、おはよう」

「ん…」


目をごしごしと擦る大塚君に、呼び掛けてみる。


でも、今は夕方だから「おはよう」は変かな…?

なんて思っていると、大塚君が私の方を見てぱちくりと目を瞬かせた。



「…神崎?」

「はい」

「……えっと…、なんで居るの?」

「だから佑香さんに呼ばれて…」

「…は?」


すると今度は目を大きく見開いて、信じられないという顔をした。

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