気になる背中
…私はというと、その言葉に返事が出来なかった。
だって、だって…、
大塚君に恋人がいないってわかって、
すごく嬉しかった…。
諦めようと思ってたけど、大塚君のことはやっぱり好きで…
今日いろんな一面を見てもっと好きになって…。
だから、
すごく嬉しくて、
涙が溢れてしまうくらい嬉しくて、言葉が出てこなかった……。
「え、神崎?どうしたの…?」
急に顔を伏せる私に、大塚君が心配したように声を掛ける。
泣いてるのを知られたくなくて私は顔を上げられないまま、頭を振った。