気になる背中
「あ、あのね…大塚君と一緒に居るの…私、嫌なんかじゃないよ…」
私がそう言って返すと、大塚君は「うん」と優しく頷いた。
…そして、
「神崎もちゃんと言って」
と、言われてしまった。
そう言われ、私は恥ずかしくて思わずまた俯いてしまう…。
…でも、ちゃんと言わなくちゃ…。
ここで逃げたら、きっと一生後悔する。
そう思って、私は真っ直ぐ顔を上げた。
「…わ…私も、大塚君のことがずっと好きだったよ…」
やっと、ちゃんと自分の気持ちを彼に伝えることが出来た。
私が自分の気持ちを口にすると、
抱き締める大塚君の腕の力が微かに強くなった気がした…。