気になる背中
「俺は神崎がいいの」
きっぱりした口調で言われて、私はなにも言えなくなる。
私が口を閉じると、今度は大塚君がこう言った。
「神崎こそ、俺でいい?
俺、見ての通り…その、つまんない奴だと思うよ…」
少し不安気に言われたその言葉に、私はそんなことないと首を振る。
「大塚君と一緒にいると、すごく楽しいよ…」
「ほんと?」
「うん…」
答えると、ぎゅっと強く抱き締められた。
…そして、「付き合おっか」と改めてそう言われた。
「…よ、よろしくお願いします」
「よろしくお願いします」
私の返事に、大塚君はふわりと微笑んでそう返した。