気になる背中
ばしゃばしゃと水道から流れる水を掬って顔を洗う。
「澪ー、タオルこれ使って」
「うん、ありがとう」
奈々子ちゃんから保健室のタオルを受け取って、顔を拭く。
「足はこっちで洗ってねー」
と、奈々子ちゃんがグランド側のドアを開けて、外にある洗い場に案内してくれた。
「なんか慣れてるね」
「まぁねー、ここの常連ですから」
私の言葉に、ふふっと笑って答える奈々子ちゃん。
そんな彼女に先生が「威張るな」と声を上げる。
「いいじゃないですかー」
「よくない」
「ケチー」
そんな言い合いをする2人がなんだか面白くて、私も思わず笑みが溢れた。