気になる背中
大塚陸君という人は、私とはなにもかも正反対の男の子。
入学してまだ1ヶ月も経っていないのに、彼はもうクラスの中心。
正反対という言葉通り、私は未だにこのクラスに馴染めずにいる。
それどころか、友達の1人もいない……。
地味で根暗で不器用で馬鹿で……自分のダメなところを言い出せばきりがない。
だから、私みたいな子が彼と目が合うのが不思議でたまらない。
最初は、気のせいか自意識過剰なだけだと思っていた。
だけど、多分気のせいじゃない。
…だって、こんなこと考えているうちに、また彼と目が合ってしまったのだから。