気になる背中
陸くんの言葉にクラス中が騒然となった。
…それもそうだよね。
陸くんみたいなクラスの人気者が、私みたいな地味で取り柄もない子と付き合うだなんて…。
そう思うと、どんどん不安になってきた。
逃げ出したい…。
そう思ったその時…
「そーいうこと!陸の彼女は澪だから!
文句があるならこのあたしに言いに来なさいよっ!」
横からそんな声が上がった。
びっくりして反射的に横を向くと、奈々子ちゃんがにっこり笑ってた。
「おっはよー、お2人さん!今日はラブラブじゃん」
「おはよ。澪に他の男が言い寄るの嫌だから、こうして宣言してみた」
「あっはは、美少女の彼氏くんは大変だねー、まったく。
リア充爆発しろっての。あ、爆発するのは陸だけね?澪はあたしが幸せにするから」
「言ったそばから人の彼女を口説くなよ」
なんて奈々子ちゃんと陸くんが普通に話している。
私はなんだか唖然としてしまって、2人の会話には入れなかった。
でもそれは私だけじゃなくて、クラスメイトの子達も同じように唖然としていた。