気になる背中



「…まぁ、そーいうことで!陸と澪は付き合ってんの!

あんた達なんか文句ある?」


奈々子ちゃんが再びクラスメイトに向かって声を上げる。


そう言った奈々子ちゃんの姿がなんだか凛としてて…

奈々子ちゃんのことはいつも凄いなって尊敬してるけど、それ以上にかっこいいなって思って胸がいっぱいになった。




「…いやいや全然文句はないけどさぁー」

「意外すぎるー!!」

「うんうん。すげぇ驚いた」

「まぁ、むしろお似合いだけどさぁ」

「でも、まさか陸が…」

「そうそう。あのマジ天使の神崎さんに手を出すなんてねぇ」

「ねー!」


奈々子ちゃんの言葉に周りから口々にそんな声が上がった。


意外って言われるのは理解出来た。
お似合いって、嘘でも言って貰えて嬉しかった。



けど…


「て、天使…?」



私が?羽も生えてないのに?

意味がわからずきょとんとなると、


奈々子ちゃんが

「天使みたいに可愛いってことよ!あと天使みたいに純情系だから澪は」

と、からかうように言ってきた。


奈々子ちゃんの言葉に私はますます意味がわからずきょとんとなった。

可愛い?純情?私が?

意味はわからないけど、たぶんからかわれてて、なんだかとっても恥ずかしくなった。




「そういうわけで、澪は俺のだから」


話を遮るように陸くんが声を上げた。
私の手をぎゅっと優しく握って。

不意打ち過ぎるその台詞に、私はますます恥ずかしくてかぁっと顔を赤くさせた。


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