気になる背中
家に帰って、彼に借りたノートを広げる。
すごく綺麗なノート。
止め跳ねがしっかりした大きくて堂々とした字。
教科書と黒板の内容が上手くまとめられていて、ただ黒板を写すだけの私のノートとは大違い。
練習問題も正解ばっかり。
やっぱり頭いいんだな。
そんなことを思って、頭の悪い私は溜め息を零した。
これだけ頭いいんだから、家でもきっと勉強しているんだろう。
だから私なんかに長々とノートを借りられてたら迷惑に決まってる……。
そう考えると、私は自分のノートをすぐに開いた。
「はやく写しちゃお…」
そう呟いて、自分のノートに彼のノートの内容を写し始めた……。