気になる背中
全部写し終わって、ついでに宿題も終わらせて一息ついた頃、部屋のドアをコンコンと2回ノックされる。
返事を返すと、ドアの向こうから「飯」とただ一言だけ告げられた。
お兄ちゃんの声。
夕飯を教えに来てくれたんだ。
私がすぐに返事をしてドアを開けた頃には、お兄ちゃんはもう階段を降りて行くところだった。
今日のこと、どう思われているかな……。
そんなことを考えると、一緒にごはんを食べるのが少し憂鬱だった。
お兄ちゃんのこと嫌いじゃないけど、すごく苦手。
なにも喋ってくれないし…、喋ってくれないのは私のこと嫌いに思ってるからって思うと、すごくすごく怖い。