気になる背中
モカと一緒に一階まで降りて行くと、ダイニングではお兄ちゃんがもうごはんを食べていた。
私も同じようにテーブルの自分の席に着く。
お兄ちゃんの向かい側。
「……あ、あの、お兄ちゃん」
「………なんだ」
私が声を掛けると、お兄ちゃんは口に含んでいたものを飲み込んでから短く返事をした。
「今日、学校でぶつかっちゃって、その……ごめんなさい」
そう言って謝る私に、お兄ちゃんは「別に」と小さく返した。
怒ってるのか、そうじゃないのかわからない。
でも、やっぱり怒ってるかも……。
ううん、それ以前に私なんてどうでもいいのかもしれない……。
いろいろ考えてしまうと、なんだか嫌な方向ばっかりになってしまう。
悲しくなって、また俯いてしまった。
「怪我、無かったか」
ふいに、お兄ちゃんがそう呟いた。