気になる背中
「……澪、上行ってろ」
お兄ちゃんが、ちらりと私を見てそう言った。
私はすぐ頷いて、階段を上がって行った。
なんだかよくわからないけど、びっくりした。
お兄ちゃんのお友達っておもしろい人だな……。
そんな感想を抱きながら2階に上がる。
そして、自分の部屋に入ろうとしたその時。
お兄ちゃんの彼女さんと、廊下でばったり遭遇してしまった。
「もしかして、神崎の妹ちゃん?」
「は、はい……!はじめまして」
予想よりもずっとずっと綺麗な人だった。
声を掛けられてすごくドキドキした。
返事を返すと、その人は嬉しそうに目を輝かせた。
「妹ちゃんのこと、ずっと気になってたんだ!話してみたいなぁーって。
澪…ちゃん、だよね?」
「はい、神崎 澪といいます」
「私、大塚 佑香。一応アイツの彼女。よろしくね!」
そう言って彼女さん‥佑香さんは私に笑いかけた。