気になる背中
「澪」
2階に上がって来たお兄ちゃんが、私に声を掛けた。
後ろには、さっきの成瀬さんも居る。
「部屋、戻ってろ」
「…は、はい!」
お兄ちゃんに言われて、私はすぐに自分の部屋に引っ込んだ。
ドアの向こうの廊下からは、
「神崎の馬鹿!もっと澪ちゃんと話したかったのにー!!」
「俺も俺もー!」
と、そんな声が聞こえた。
そんな風に言ってもらえて嬉しかった。
でも、お兄ちゃんからしたら、私みたいなのが妹なんてきっと恥ずかしいんだろうと思う。
だから私を部屋に戻したかったんだ。
そう考えると、すごく悲しくなって涙が出た……。