気になる背中
……その翌日。
「昨日、うちの姉ちゃんが神崎に会ったって言ってた」
私が自分の席に着くと、大塚君がそう言って話し掛けてきた。
「え、あ、……うん」
話し掛けられてなんて返せばいいのかわからなかった。
昨日のことを思い出すとすごく恥ずかしくて、そのことはあまり話したくなかった。
そんな私の反応に、大塚君は少し眉を寄せた。
「もしかしてさ……、うちの姉ちゃんと神崎の兄さんが付き合ってるの、神崎は嫌……?」
「ち、違うよ!?そうじゃないの!!」
大塚君の言葉に大声を上げて否定した。
嫌なんて思ってない。
思うわけない。
大声を上げた私に、大塚君は驚いたような顔をした。
そして、
「嫌な言い方して、ごめん……」
と、ぽつりと零した。
謝られて私は慌てて首を横に振った。