気になる背中


「もしかして、神崎が思い詰めた顔してたのって勉強に詰まってたから…?」


大塚君にそう訊かれ、図星を突かれた私は恥ずかしながら頷いた。

なんだかすごく惨めな気分…。



「お兄さんに教えてもらったりしないの?」


その言葉に私は首を振って答えた。

そんな私の返事に大塚君は不思議そうな顔をした。


「もったいない。俺だったら絶対教えてもらうけどな…

うちの姉ちゃんは全然あてにならないから、神崎が羨ましいな」


大塚君の言葉に、私は大塚君の方が羨ましいと思った。



そんな風に言えるほど、お姉さんと仲が良いんだ…。

そう思うとすごく羨ましくて、自分と比べたら、すごく悲しくなる。


…そう思ったら、目の奥がツンと熱くなって、気が付けば涙がぽたっと零れ落ちていた。

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