気になる背中
…昔からそうだった。
私は出来が悪いから、お父さんはお兄ちゃんに私の勉強を見るように言って、お兄ちゃんは私に勉強を教えてくれた。
でも、テストでは良い点取れなくて、それがすごく辛くて、自分が情けなかった。
一番辛かったのは、中学受験の時。
お父さんたちはお兄ちゃんと同じ私立の名門進学校に私を通わせようとした。
塾にも行って、お兄ちゃんにもいっぱい勉強見てもらって、頑張ったけど…結果は不合格。
お父さんたちはそれ以来、私に期待することもなくなって勉強もさせなくなった。
その代わり、「お兄ちゃんの邪魔にはならないように」と、そればかり言うようになった。
私も中学受験の失敗以来、お兄ちゃんには勉強を聞けなくなった。
邪魔しちゃいけない。また失敗してがっかりさせたくない。嫌われたくない。
お父さんの言葉と一緒に、私のなかでそんな思いがいっぱいになった。
…その頃からだ。
私とお兄ちゃんの距離は徐々に遠くなっていったのは……。