気になる背中

そうして大塚君と一緒に勉強をするようになってしまった…。


放課後は下校時刻までずっと図書室で勉強。休日は街の図書館で勉強。


一緒に居るのはすごく緊張したけど、図書館での勉強だったからあまり喋らずにすんだ。

そのお陰で勉強にはすごく集中出来た気がする。



大塚君のお陰で私の勉強はみるみるはかどった。

練習問題では間違いもほとんどなくなったし、授業でも先生に当てられた問題もちゃんと正解出来るようになっていた…。




「澪ってば、最近すごいね」

「…へ?」


お昼ご飯を食べている時、奈々子ちゃんは唐突に私に向かってそう言った。

突然の言葉になにがなんだかわからなくて、「なにが…?」と尋ねると、奈々子ちゃんは一言「勉強」とだけ答えた。


そして、私の頭を撫でて

「最近すごいがんばってるよね。偉い偉い」

と、私を子ども扱いしたようにそう言った。


子ども扱いされるのが恥ずかしくて、かぁっと顔が熱くなる。


「もう…」


恥ずかしくて私は頬を膨らまして拗ねてみる。

しかし、そんな抗議も奈々子ちゃんには逆効果らしくて、今度はぎゅーっと抱き締められた。


「ほんと澪って可愛いよねー」

「奈々子ちゃんってば、変なこと言わないでよ…。

…そ、それに勉強だって、大塚君に教えてもらってるだけで、私なんて全然…」


奈々子ちゃんの言葉が恥ずかしくて、話を逸らすそう言い返した。

< 49 / 214 >

この作品をシェア

pagetop