気になる背中

「なに言ってんの?

大塚に教えてもらったことがちゃんと身についてるんだから、澪は偉いよ!」

「そ、そうかな…?」

「そうだよ!!

澪はなんでもマイナスに考え過ぎ!!」

「……」


奈々子ちゃんにびしっと言われてしまい、私はなにも言えなかった。


確かにそうかもしれない。


私はいつもなんでも悪い方向に考えてしまう…。

悪い癖だと思いながらも、それを直す方法なんてわからない。


そんなことを思って黙り込んでいると、


「ほら!また余計なこと考えてそんな顔して!!」

と、奈々子ちゃんが声を上げた。


「ご、ごめんなさい…っ!」

反射的に私がそう謝ると、また奈々子ちゃんが叱るように言った。



「澪はもっと自分を甘やかしてもいいんだよ?」

「う、うん…」

「もっと自分を認めてあげないと…、自信にだって繋がらないんだからね」

「うん…」


奈々子ちゃんの言う通りだった…。

私はもっと自分に自信を付けた良いのかもしれない。


…そのためには、やっぱり今度のテストで良い結果を出すしかない。

そう思ったら、もっとやる気が沸いてきた。

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