気になる背中
「奈々子ちゃん!私、がんばる!!」
「うん!がんばれ〜!!
って言っても、がんばり過ぎても駄目だからね?」
これまで以上にがんばろうと決心する私に、奈々子ちゃんはそう釘を刺す。
「休憩するのも忘れちゃ駄目だからね?
澪ってば、最近あんまり寝てないでしょ?」
「…ど、どうしてわかるの?」
奈々子ちゃんの指摘した通り、最近は夜遅くまで勉強しているせいか、あまり寝ていない。
私が不思議に思って訊ね返すと、奈々子ちゃんは、ちょんと私の目の下をつついた。
「隈、出来てるからわかるよ。
可愛い顔そんなにしちゃって、まったくもう…」
奈々子ちゃんは私の目の下の隈を指摘して、そんな風にぼやいていた。
気が付かなかったけど、指摘されるほど今の顔は酷いものなのかな…?
そう考えると、急に恥ずかしくなってきた。
「ど、どうしよう…奈々子ちゃん…、私、そんなに変な顔?」
慌てる私に、奈々子ちゃんは落ち着かせるように肩に手を置いた。
「大丈夫。あたしに任せなさい!!」
そう言って奈々子ちゃんは満面の笑みを浮かべた。