気になる背中
「…あ」
…すごく近い距離で目と目が合う。
唇と唇が今にでも触れてしまいそうで…、リップに書かれていた文字が頭に過る。
恥ずかしくて、
恥ずかしくて、
ドキンドキンと、心臓は激しく高鳴った。
「…神崎、化粧してる…?」
そう言われ、かぁっと顔が熱が集まってしまう。
顔が赤くなっていくのがわかる…。
「…う、うん。奈々子ちゃんに…」
「へぇ…」
「に、似合ってないよね…。変だよね、私にこんなの…」
「そう?可愛いよ」
恥ずかしく顔を逸らす私に、大塚君はふわりと笑ってそう言った。