気になる背中
風邪
テスト当日。
私は一人保健室でふせっていた。
「試験勉強の疲れが出ちゃったんだな」
保健医の森川先生は私から受け取った体温計を見て苦笑い。
テストの直前であろうことか熱を出してしまった私。
今はこうして保健室のベットで寝かせられている。
「…先生、テスト受けちゃダメですか…?」
「だーめ」
そう言って先生は、起き上がろうとする私を寝かしつける。
「家に帰った方がいいね。お家の人は?連絡取れる?」
そう尋ねる先生に、私は首を横に振った。
父は出張中で、母もそれに付いていっているため、家には誰もいない。
それを先生に伝えると、
「なら、後で先生が送ってくから、それまでここで寝てて」
と、森川先生はそう言った。
私がそれに頷くと、先生はにっこり笑って仕切りのカーテンを閉めた。