気になる背中
…それからしばらくして、チャイムの鳴る音で目が覚めた。
時計を見ると、最後のテストが終わるころだった。
そのままぼーっと横になっていると、カーテンが開けられる音がした。
先生かなと思って顔を上げると、そこに居たのはお兄ちゃんだった。
その肩には鞄が二つ掛かっている。
一つはお兄ちゃんので、もう一つは私のだ。
どうして?なんで?
そう疑問に思うものの、喉がからからに渇いていて声が出せない。
「起きられるか…?」
そう尋ねるお兄ちゃんの言葉に、なにがなんだかわからなかったけれど私は起き上がってそれに答える。
すると森川先生がこちらにひょっこりと顔を出した。
「気分どう?これから送ってくけど、大丈夫?」
「あ、はい…大丈夫です」
先生の言葉に答えながらも、私はなんでここにお兄ちゃんが居るのか気になって仕方が無かった。
するとそれが先生にも伝わったのか、先生はにこりと微笑んでこう言った。
「お家に誰も居ないと心細いだろ?
だから、お兄さんも一緒に帰ってもらおうと思って」