気になる背中


…こうして、お兄ちゃんと一緒に先生の車で家まで送ってらうことになった。


運転する先生。

後ろの席に私とお兄ちゃんが座った。


先生は私がお兄ちゃんを苦手に感じているの知ってるのに、わざわざこんなことするなんて確信犯だと思った。


"仲直り"…という言葉とは少し違うけど、そういう風になって欲しくてお兄ちゃんを呼んだのだろう…。

先生がいつも以上ににこにこしてるから絶対そうだ。



お兄ちゃんに迷惑かけたくないのにな…。

そんなことを思いながら、お兄ちゃんが教室から持って来てくれた鞄をぎゅっと抱き締める。


横に座るお兄ちゃんを見れば、お兄ちゃんはケータイを弄っている。


怒ってるかな?呆れられてるかな?

そう考えると、どんどん怖くなってきた。



熱なんて出なければよかったのに…。

心の中で何度も何度もそう思った。



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