気になる背中


佑香さんが作ってくれたお粥はすごく美味しかった。


温かくて、優しくて…

食べていると、胸の奥まで温かくなっていくような感じた…。



「すごく、美味しいです……」

「本当!?よかったー!」


私の言葉に、すごく嬉しそうに笑ってくれる佑香さんに、私も自然と笑みが零れてしまう。

こういうとこ、弟の大塚君とそっくりだなって思った。



…そう思って、大塚君のことを思い出すと、急に心がずんと重くなった気がした。

せっかく勉強教えてもらったのにテスト受けれなくて、すごく申し訳なく思った。


がっかりさせてしまったかもしれない。

そう考えると、自分がすごく嫌になった。


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