気になる背中



…けれど、翌日になっても熱は下がることはなくて、テスト2日目も学校は休むことになってしまった…。




「帰ったら病院連れてくから、それまで大人しく寝てろよ」

「…はい」


お兄ちゃんが学校へ行く前に私の部屋に来てそう言った。


私は返事をしながら、またお兄ちゃんに迷惑かけちゃうなと思った。

迷惑をかけてばかりの自分がどんどん嫌いになる…。




「澪、ケータイ出せ」


お兄ちゃんが唐突にそんなことを言った。

どうしたのだろうと思いながら、私は言われた通りにケータイを差し出した。


お兄ちゃんは私のケータイを受け取ると、それを2、3度操作してすぐに私に返した。



「行ってくる。ちゃんと寝てろよ」

「うん…、行ってらっしゃい」



そしてお兄ちゃんはそのまま部屋を出て行ってしまった。

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