気になる背中
そして、夏休み前日。
終業式の今日は、教室中ざわざわとしていて、みんなどことなく楽しそうに見える…。
「澪は夏休みどっか行ったりするの?」
「ううん。特に予定無いかな…。奈々子ちゃんは?」
「あたしも予定無し!
ねぇ、2人でどっか遊びに行こうよ!」
「うん!遊びに行こう!!」
奈々子ちゃんの言葉に私は嬉しくてすぐに頷いた。
すると奈々子ちゃんも嬉しそうに笑ってくれて、2人で夏休みの計画を立てた…。
「…そういえば、アイツ来てないね」
「?」
夏休みの事を話していたら、急に奈々子ちゃんがそう言い出した。私はなんの事だろうと首を傾けた。
「大塚のこと。まだ来てないよね」
「あ。本当だ。珍しいね…」
言われて、私も頷いた。
いつもなら私よりも早く教室に居るのに、今日は来ていない…。
「風邪かな…?」
「えぇっ!?
…わっ、私が、うつしちゃったのかな…?」
奈々子ちゃんが呟いた言葉に、私は自分のせいじゃないかって思ってすごく不安になった。
「あぁ、ごめんごめん!大丈夫だって!!
もしかして、大塚の奴うっかりもう夏休みと思ってんじゃないの?」
泣きそうになる私の頭を奈々子ちゃんは撫でながらそう言った。
冗談混じりにそう笑って言う奈々子ちゃんに、私もつられて笑みを零した。