気になる背中
「大塚君、なにかあったの…?」
終業式の最中。
思い切って大塚君に尋ねてみた。
講堂では隣の席の彼は、私の言葉に少し不思議そうな顔をしてみせた。
「なんで…?」
「だって、なんだかいつもと様子が違って見えたから…」
そう答えると、大塚君は不思議そうな顔をして私の顔をじぃっと見つめた。
見るだけでなにも答えない大塚君に、私はなんだかすごく恥ずかしくなった。
「…ご、ごめんなさい。えっと…迷惑だったよね…」
「いや、そんなことないよ…。
えっと、じゃあ…神崎さえ迷惑じゃなかったら、あとで話聞いてもらっていい?」
遠慮がちにそう言われて、私はすぐに首を縦に振って答えた。
やっぱりなにかあったんだ。
話ってなんだろう…?