気になる背中



お兄ちゃんと一緒に映画を観て、それを観終わってからは映画の感想を話しながらお昼ご飯を食べた。

それから少しだけ街をぶらぶら。

ペットショップでモカのおもちゃを買ったりした。


そうしていたら結構時間が経っていて、

そろそろ帰ろうということになって駅に向かった。


するとそこで、佑香さんと大塚君に会った。


「神崎に澪ちゃん!

こんなとこでどうしたの!?」


そう嬉しそうにこっちに向かって歩いてくる佑香さん。



お兄ちゃんの方をちらりと見ると、全くの無反応。

彼女に会えたのに、その反応って大丈夫なのかな…。


内心でそう心配する私をよそに、佑香さんは気にした様子もなくにこにこしている。


「神崎ってば、澪ちゃんとデート?

いいなぁ、羨ましい…。私なんてこんな可愛くない弟と一緒だよ?」

「ちょっ、人のこと荷物持ちにしときながらそんなこと言うの!?」


佑香さんの言葉に大塚君が声を上げる。

見れば、その両手には買い物。


2人で買い物に行って来たのかな…。

そんなこを思っていたら、大塚君と目が合った。



にこりと笑ってくれて、私はちょっと恥ずかしくて視線をずらしながら首を下げた。


また会いたいなって思っていたけど、いざ会うとすごく緊張してしまう…。


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