気になる背中




「じゃ、神崎さん、あとよろしくお願いします」


突然、大塚君がお兄ちゃんに向かってそう言った。


なんだろうと思っていたら、大塚君は急に持ってた荷物の半分をお兄ちゃんに押し付けて、空いた方の手で私の手を掴んだ。

そして、私の手を掴んだまま走り出した…。



「えっ、大塚君!?」

「2人の邪魔しちゃ悪いだろ?」


突然の事にびっくりして声を上げる私。

そんな私にそう言って悪戯っぽく笑った大塚君の表情に、ドキンと心臓が跳ね上がる。



後ろからは佑香さんの声が聞こえたけど、

それでも大塚君は気にする様子もなく、そのまま笑って私を連れて走った…。


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