★続★『逆高校デビュー』
4月、
特進クラスと普通クラスは同じ2階にあるけど、
校舎の端っこと端っこで、
いつも休み時間は、ちょうど真ん中にある自販機前で、
悠斗と会っていた。
私を見つけるといつも優しく笑って、
時々自分の飲んでいたパックのコ−ヒ−を
何も言わずに私に渡してくる。
何も変わらない。
悠斗はいつも優しい。
廊下の窓からグラウンド沿いに咲いている満開の桜を二人で見ていたら
「悠斗先輩」
かわいい…ちょっと鼻にかかったような声で
悠斗が呼ばれた。
二人同時に振り向くと、
背の小さな、茶髪の巻き髪で、クリックリのデカイ瞳、バッサバサの睫毛の女が立っていた。