キライ、の反対。




『真壁が誕生日覚えてないのって
花と毎日一緒にいるからじゃない?』


私と毎日一緒にいるから?


「‥どういうこと?」


『んーとね、毎日一緒にいると
真壁にとって花は当たり前の
存在になるじゃない』


「当たり前の存在?」


『そう。例えば‥空気みたいな感じ。
いなきゃダメだけどいつも一緒にいる
から空気に感謝なんてしないでしょ?』


あー
そういえばそうかも。


『空気がなかったら死ぬことを
知らなかったとして、
私たちって空気がなくなったら
生きていけないのにずっと一緒
にいるから生きていけないことに
なんて気付かないでしょ?』


「ん~‥難しい‥」



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