七つの幻
…あなたもね。
え?
あなたも?
何が?
グスっ、あなたも無くしたのね自分の名前を。
ここ、は幻の世界、ここでは自分自身でさえ幻になるの。
「…自分が幻になる?」
…そんなの信じられない!
だって名前を忘れただけじゃないか!
そう、みんなまず自分の名前を忘れるの
だって名前はみんなが持っている自分だけもの、
…だからそれを無くすと自分が誰かわからなくなる。
…でもあなたはまだ大丈夫、無くしたのは
名前だけだから…、
…今ならまだ戻れる。
だから早く…
「?、彼女の声が急に聞こえなくなった。」
えっ早くてっ何?
…は、や、く、
「?。」
メ、ヲ、サ、マ、シ、テ
「…早く目を覚まして?」
「彼女は今にも消えそうな声でそう言った。」
「…目を覚まして?
これは夢なの?」
うっ、意識が遠くな、る、
……ここは?
ああ俺の部屋か、
「
時計を見ると朝6時を指している」
…まだ早いな寝直すか。
「まどろみながらさっき見た夢を思い出す。」
「…何だっただろうあの夢。
あの人は誰に…?」
最初の幻・end