619
エル・サント警察署に戻った鬼ザクロとコワルスキーは、押収資料を前に情報の整理を行っていた。

「ガイシャの名は坂下ケイティー、24歳。アステカ小学校の教員で、あのマンションに一人で暮らしていました」

坂下ケイティーについて、調べ上げた人間関係や事件当日の足取りをコワルスキーが説明しているのが聞こえているのか、鬼ザクロは「619」のダイイングメッセージが写された写真をじっと見つめたまま相槌も打たなかった。

「警部?」
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