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「ロス?嫌よ。私、生粋のサンディエゴ娘よ。トモヤ君はサンディエゴの電話に、なにか気になることがあるの?」

「何もありません!詮索しないでください!」

かぶりを振ったトモヤは、二人が座っている横に、一本のポールが畳から天井に伸びているのを発見した。

フィオナのアパートは畳張りだったので、畳に穴を開けて設置されていると思われるその金属製のポールは、いかにも日本的なこの部屋には合わなかった。
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