619
「ケイティー先生と犯人は、部屋でプロレスをしていた。そして、犯人の繰り出したロープ技、619、でケイティー先生は命を落とした。これは不幸な事故だったんだ。殺人なんかじゃなく、過失致死だ。だからこそ先生は、犯人の名前などではなく、技の名前を、最期に残したんだ。きっと、彼の技の切れ味を称えるためにさ」

コワルスキーは立ち上がって、トモヤとユカちゃんに背中越しに、

「私は犯人に自首を勧めるよ。殺意の無い過失致死で、自首であれば、罪も軽くなるだろうからね」

と言い残して公園を去っていった。
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