619
「プロレス用語で、本気の勝負ってことです」

「・・・続けて」

「来る日も来る日も、僕は負けました。だって、ケイティー先生は女とはいえ、大人なんですから、ウェイトの軽い僕が勝てるはずがない。だからあの日、僕はこっそり練習しておいた技、619で逆転勝ちを狙ったんです。でもまさか、本気で死ぬなんて」

トモヤは真っ青な顔で、ガタガタ震え始めた。
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