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「フィオナ先生・・・」

それだけ言うのが精一杯だった。トモヤは、ただ目の前のコーヒーを見つめながら震え続けた。

「トモヤ君。神は罪を許してくれるわ。でも、あなたの犯した罪は消えるわけではないし、世の中が罪を許してくれるわけでもない」

フィオナはビールでくちびるを濡らし濡らししながら、考え、言葉をつないだ。
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