夢の種と希望の星

アマリ乗り気もせず、かといってこれ以上就職浪人を続ける気も無かった。
なので、とりあえず面接を受けに行った。

面接って・・・。
志望動機を聞かれたり、せいぜい適性検査を受けたるするもんだよね？普通。

ところが手首に発信器みたいなものをつけられて
「中でご自由にお過ごしください」
と言われただけ。

もしかして行動観察系のテストなのか？と思い注意深くあたりを見回す。
保育士として採用されるつもりなのだから、ココは子供を見つけて一緒に遊ぶ所をアピールすれば良いんじゃないか？
と思ったが子供はいない。

更に周りを見回すと発信器みたいなものを自動販売機にタッチさせてコーヒーを購入している人を発見。
コーヒーを一杯ぐらい飲んでも問題なかろうと自動販売機に近づくと
～Ｐシステム残高１０００Ｐ～
と表示された。
どうやら初めに手首に着けてもらった機械はこの建物の中で使える財布の様なモノらしい。
コーヒーは１００Ｐらしいのでまあ、１０００円借りて１００円使ったぐらいの感覚。
後で請求されても良いやぐらいの気持ちでコーヒーをゲットし一息つく。

さて、これからどうしようか？
と建物内を観察しながらブラブラと散歩。
結構広いのでうっすらと汗をかく。

『面接を受けに来た方は花の広場にお集まりください』
と放送が入る。
いよいよ本当のテスト開始か？
と、先ほど通り過ぎた花壇の所に戻る。

そこには同じ制服を着た人が何人かいて
「おめでとうございます。合格です」
と声をかけてきた。
訳も分からず茫然としていると
「太陽系外移民艦　フタバ　のクルーとして条件を満たしました。」
と言って手首の機械にカードを挿入した。
「コレで乗船資格者として登録されました。後はコチラのパンフレットをよく読んでオール２までに引越しを済ませてください。」