夢の種と希望の星
リングが要領良かったせいか、就職活動中でいつでも寮に入れるように引越しの準備が出来ていたせいか艦長が言うほど準備に時間はかからなかった。
ソレでもやる事は沢山あった。

移民手続きは保育士として採用されていたのでスンナリと受理された。

宇宙航行判断テストはギリギリでパス。
小さな船だと緊急事態に対応を余儀なくされるが、フタバには多くのスタッフが乗船するので自分が操縦させられる事はまずないだろう。

体力判定テストは・・・。
恥ずかしい結果になってしまった。
乗船後の運動プログラムをリングに登録されてしまう。

健康診断は特に問題なかったのだが、遺伝子情報判定テストで何かトラブルがあったらしく、このテストに7日も要してしまった。
乗船規定には外れていなかったらしいので結果オーライ。

予防接種が漏れていたモノが多く出発までに間に合わない。
(日にちをあけて接種しなければならないモノが多い為)
結局、乗船後に医療艦まで出向いて受ける事になった。
医療艦に予防接種の一式を送る手続きが結構面倒くさかったが何とかクリア。

宇宙服の注文に行ったら、オーダーメイドは間に合わないらしく、サイズ優先で買うはめになった。
派手なバラ柄で蝶が発光インク仕立て・・・。
注文したヤツが出来上がりを見て、あまりの派手さにキャンセルしたと思われるモノだが、背に腹は代えられない。

引越しは業者に任せた。
結構な料金をとられたがユニットごと運んでもらえた。
なのでコンパニオンコンピューターのレノも一緒に行ける事になった。
レノの移動が出来なかったら置いて行くことになるのか?と不安だったので金額には変えられない。

少ない貯金もリングのPシステムに換金。
換金手数料が無料だった事がうれしい。

そんな中、私が一番時間をかけたのはパートナー(私に何かがあった時の為のスペア)の選出だった。
将来保育士になる事を望んでいる20歳程度年下の子供を選ぶのだが・・・。
私はマダ22歳。
2歳の子供に将来の職業の希望を聞き出せるか?
仕方なくベビーセンターに通い、スグに懐いてきた子のトアを選んだ。
そして10日の余裕を残して出発準備は終わったのだった。
< 5 / 10 >

この作品をシェア

pagetop