年上王子様とのアリエナイ××①
・・もしかして北原さんはあたしのこと好きじゃない?
だからしてくれないの?
いやいやそれってあたしもじゃん。
あたしだって北原さんのこと、そりゃあ意識はしてるけど
好きかって聞かれても100パーセントの自信を持って
「好き」だなんていえない。
だったら一緒じゃん!
「ってあたしってば何を考えてるのよ!」
はぁっとため息をつきながら食器を洗っていると
「何が?」
いつからそこにいたのか。
北原さんが距離を縮めてあたしをじーっと見る。
やだ、ちょっとこっち見ないでよ。
「何でそらすの?」
何でって・・
「恥ずかしいから」
「恥ずかしい?どこが?」
「だって・・・その・・久しぶりだし?」
「嬉しいこと言ってくれるね」
クスっと笑うとキッチンに入ってきた。
な、なんで入ってくるのよ
急に慌てるように早くなる心臓の音。
聞こえてない、よね?
「久しぶり、柚子」