年上王子様とのアリエナイ××①
そっけない声。
でも一つ分かったんだ、翔さんの事。
仕事に行くときの男の人ってすごくオーラを感じる。
特に翔さんは、家にいるときとは正反対の顔つき。
きっとすごくお仕事を大事に頑張ってるんだよね。
だから冷たいわけじゃない。
「い、いってらっしゃい」
さすがにこのままで言うのは悪いと思って、恐る恐るドアを開ける。
さっきの後だし
気まずいんだけどな...
でもさっきの事は気にしてないみたいで、普通に笑顔を見せると玄関先へと向かった。
そして靴を履いたところで
「そうだ」
翔さんが立ち上がってくるりと反対を見てから
「さっきの事だけど俺。君に手を出す気はないから安心して」
そう言ってドアを開けて出て行った。
「ちょ、翔さん!!」
やばい...あたし
なんかやばい事...言っちゃった...かもしれない!?